歯科治療・予防ガイド

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口臭ケアのウソ・ホント?実はやりがちなNG習慣

2025.09.09

歯科知識

親子三代で通える歯医者、船橋市のあおぞら歯科クリニック西船橋院です。

 

「毎日マウスウォッシュをしているのに口臭が気になる」

「歯は痛くないのに家族から匂いを指摘された」

 

そんなご相談をよくいただきます。

 

実は、口臭ケアには“思い込み”や“やり過ぎ”がつきもので、正しいつもりのケアが逆効果になっていることもあります。本記事では、口臭の正体と原因、やりがちなNG習慣のウソ・ホント、今日からできる正しい対策を、専門的な視点でわかりやすく解説します。

 

 


こんなお悩みはありませんか?

✅朝起きたときや空腹時のにおいが強い

✅人と話す前にミントタブレットでごまかしている

✅マスクを外すと自分の息が気になる

✅歯みがきしてもすぐに口臭が戻る

✅舌の白い苔が取れにくい

 

 


口臭の正体を知る~生理的口臭と病的口臭~

口臭は大きく「生理的口臭」と「病的口臭」に分けられます。生理的口臭は、朝起きた直後や空腹時、緊張時など、唾液の分泌が減るタイミングで強まる一時的なにおいです。睡眠中は唾液が少なく口の中が乾きやすいため、細菌が増えて舌や歯ぐきににおい物質が溜まります。水分補給や朝食、適切な清掃で多くは軽減できます。


一方、病的口臭は、口腔内の炎症や感染が原因となるケースが中心です。代表的なのは歯周病、むし歯、合わない被せ物周囲の清掃不良、舌苔の増加、唾液の量や質の低下などです。とくに歯周病は、歯周ポケット内の細菌が揮発性硫黄化合物を産生することで強いにおいを生みます。また、口呼吸やドライマウス、長時間のマスクなどで乾燥が続くと、細菌が増えやすい状態が固定化し、慢性的な口臭につながります。

なお、胃が悪いと口臭が出るという思い込みもありますが、実際の口臭の多くは口の中の問題によるものです。消化管のにおいが直接口まで上がってくることは稀で、全身疾患が原因となるのは一部に限られます。自己判断で内服を増やす前に、まずは口腔内の原因を見直すことが改善への近道です。

 

 

ウソ・ホント?じつは逆効果なNG習慣

一日中マウスウォッシュでうがいしていれば安心!  
【ここがNG!】 殺菌成分で一時的ににおいは抑えられても、使い過ぎは口内環境のバランスを崩し、唾液の働きも弱めます。基本は歯みがき・歯間清掃で「汚れを落とす」こと。マウスウォッシュは清掃の補助としてポイント使いに。

 

舌は強くこすって白い苔をゴッソリ落とす  
【ここがNG!】 舌の表面をガリガリ削ると粘膜が傷つき、かえって舌苔がつきやすくなります。やわらかい舌ブラシを奥から手前へ、軽い力で数回で十分。毎日やりすぎないのがコツです。

 

ミントタブレットやガムで『におい消し』 
【ここがNG!】 香りで隠すだけでは原因は解決しません。砂糖入りは細菌のエサになります。選ぶならキシリトール100%で、食後に短時間噛んで唾液を出す目的に切り替えましょう。

 

朝食を抜けばにおいが減る  
【ここがNG!】 朝は唾液が少ない時間帯。食事を摂ることで唾液が増え、口内のpHが整い、舌苔も落ちやすくなります。朝食を抜くと生理的口臭が長引きます。

 

コーヒーのあとに放置 
【ここがNG!】 コーヒーの色素や酸は舌苔や歯面に残りやすく、においと着色の一因になります。飲んだあとは水でひと口ゆすぐ、あるいは無糖ガムを少し噛んで唾液で流しましょう。

 

強い香水やスプレーでカバー 
【ここがNG!】 においの上書きは一時しのぎ。口臭と香料が混ざって、かえって不快に感じられることもあります。原因除去が基本です。

 

デンタルフロスは週末だけ  
【ここがNG!】 歯と歯の間のプラークはにおいの発生源。毎晩の歯間清掃が鉄則です。フロスが難しければ、歯間ブラシのサイズを合わせて使いましょう。

 

口呼吸のまま就寝 
【ここがNG!】 乾燥すると舌苔・歯周炎が悪化しやすくなります。鼻呼吸を意識し、いびきや鼻づまりがあれば耳鼻科での評価も検討をしてください。就寝前は水分補給と加湿を心がけましょう。

 

入れ歯は外さずそのまま寝る 
【ここがNG!】 入れ歯の裏側に細菌が溜まり、強い口臭や炎症の原因に。就寝時は必ず外して洗浄し、乾燥を防ぐ保管を行いましょう。

 

喫煙後はミントでカバー 
【ここがNG!】 タールやニコチンの残留は強いにおいの原因です。禁煙が最善ですが、難しければ本数やタイミングの見直し、直後の水うがいと定期清掃を徹底しましょう。

 

 


今日からできる正しい口臭ケア

● 歯周病、歯肉炎が疑われる場合 

歯ぐきの腫れ、出血、ねばつき、起床時の口臭が強いなどのサインがあれば、歯科での歯石除去と歯周基本治療が有効です。自己流で誤魔化さず、早めの診査・クリーニングで炎症源を減らしましょう。

 

● 舌苔が多い場合 

毎日の舌清掃は「やさしく・短時間」が原則です。乾いた状態でこすらず、うがい後に舌ブラシで奥から手前へ2〜3回優しくブラッシングしましょう。仕上げに水でゆすぎ、粘膜の保湿も心がけてください。

 

● 口腔乾燥が気になる場合 

水分摂取をこまめに行いましょう。就寝前・起床後のうがい、鼻呼吸の練習、保湿ジェルの活用も有効です。日中の無意識の噛みしめを減らし、リラックス時間を作って唾液を出しやすい環境を整えましょう。

 

● 補綴物や詰め物の段差が気になる場合 

段差や隙間にプラークが溜まると、においの元になります。適合の確認と調整、必要に応じて再製作を検討しましょう。毎日の清掃では、歯間ブラシを適切なサイズで使い分けられると良いです。サイズがわからない方は、定期検診の際に歯科衛生士からアドバイスできますのでお気軽にご相談ください。

 

● 入れ歯を使用している場合 

毎食後の洗浄と就寝時の外し忘れ防止を徹底しましょう。義歯ブラシと洗浄剤で丁寧に清掃し、粘膜側の汚れも除去します。朝装着する前に、口腔内のうがいと粘膜の保湿を忘れずに行いましょう。

 

 


受診の目安と診療の流れ

次のような場合は、自己流ケアを続けるより先に受診をおすすめします。

✅3週間以上、同じ口臭に悩んでいる

✅歯ぐきからの出血や腫れが続く

✅舌の異常(痛み、ひび割れ、厚い苔)がある

✅入れ歯や被せ物の周りに食べ物が詰まりやすい

✅乾燥感が強く、飲み物が手放せない

 


診療では、問診と口腔内診査、歯周ポケットの測定、舌の状態の観察、必要に応じてレントゲン撮影を行い、原因を丁寧に切り分けます。まずは歯石やバイオフィルムなどの炎症源を除去し、ブラッシング、歯間清掃、舌ケアの具体的な方法をお伝えします。生活習慣の見直しポイントも一緒に整理し、無理なく続けられるプランをご提案します。においは“隠すもの”ではなく、“原因から整えるもの”。早めの受診が、改善への最短ルートです。

 

 


まとめ 

口臭の多くは、口の中の“汚れ”“炎症”“乾燥”の三つが重なって強まります。うがい液やミントだけに頼るのではなく、原因に合わせた清掃と保湿、そして定期的なプロケアで、においは着実にコントロールできます。気になる方は、まずは現状を知るところから。西船橋院では、丁寧な診査とわかりやすい指導で、毎日を気持ちよく過ごせる口内環境づくりをサポートします。

 


本記事はあおぞら歯科クリニック西船橋駅前院、柏木悠院長監修のもと作成しています。

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